現地時間2023年3月26日、豪Canvaが英Serifの買収を発表しました。
買収がなった経緯と、今後の方針、また今後変わっていくであろうことについて紹介していきたいと思います。
Affinity Designer の使い方、Illustrator との比較 については、以下の記事で紹介しています。
興味がある方は覗いてみてください。
Affinity Designer におすすめのペンタブについては以下の記事にまとめいています。
ペンタブを導入すると作業効率や描画体験の向上につながると思います。
ぜひ参考にしてみてください。
「Affinity」が Canva に買収された経緯
Serif社のCEO Ashley Hewson 氏は、公式ブログで次のように語っています。
Serif の売却はまったく考えていなかったと言わざるを得ませんが、Canva から連絡があったとき (わずか数ヶ月!)、それは正しいことだと感じさせる何かがありました。Canva は提供物の一部としてプロフェッショナルなデザイン ツールを持っていません。また、Serif は提供物の一部としてクラウドやコラボレーションを持っていません。このため製品面から見て、この統合は非常に適したものになっています。しかしそれ以上に、私たちの全体的な哲学は非常によく一致しており、Canva の文化は (当社よりもはるかに大きな会社であるにもかかわらず) 非常によく似ています。
https://affinity.serif.com/ja-jp/press/newsroom/canva-statement/
「Canva」と理念というか哲学、考え方が似ていたため、買収の話をされた際にピンときた、といった内容かと思います。
僕自身は「Canva」を”さわり”程度にしか扱ったことがありませんが、このアプリ制作に対しての思いと「Affinity」制作チームの理念は合致しているのかもしれませんね。
上記引用文は一部を抜粋しています。
全文が見たい方はリンクより公式サイトをチェックしてみてください。
今後「Affinity」はサブスクリプションになるの?今後の方針について
買収後、Serif社は次の「制約」を発表しています。
Serif社(Affinity)が発表した「制約」文概要
https://affinity.serif.com/ja-jp/press/newsroom/affinity-and-canva-pledge/
- 私たちは、Affinity を特別なものにしている永久ライセンスを含め、公正、透明、そして手頃な価格設定に努めています。私たちは、スタンドアロン製品スイートとしての Affinity への継続的な投資を通じて、Affinity 製品の拡大に倍力していきます。学校および非営利団体 (NFP) には Affinity を無料で提供します。私たちは、この旅のあらゆる段階でデザイン コミュニティの意見に耳を傾け、かつデザイン コミュニティからの指導を受けるようにします。
ここでは、「Affinity」ユーザーが一番危惧しているであろう「サブスクリプション化」について明言されています。
「永久ライセンス」、すなわち「売り切り」を継続していくよう努めるという要旨が書かれていますね。
上記引用文は一部を抜粋しています。
全文が見たい方はリンクより公式サイトをチェックしてみてください。
買収がなって「Affinity」に影響がでてくること
ここ、「Affinity」ユーザーにしろ、「Canva」ユーザーにしろかなり重要なことかと思います。
このアプリが今後どうなっていくのか、それぞれの会社やアプリの情報をまとめて検証してみます。
Serif社 | Canva社 | |
設立 | 1987年 | 2013年 |
資本金 | 非上場企業 | 非上場企業 |
従業員数 | 約80人(2022年時点) | 3,500人 |
Affinityシリーズ | Canva | |
ユーザー数 | 300 万人以上 | 1億数千万人 |
プラットフォーム | デスクトップアプリ | WEBアプリ |
料金 | ¥10,400前後(買い切り) 1アプリあたりの金額/iPad版は¥2,400前後 | ¥0〜¥30,000 |
ここで分かることとしては、老舗のSerifをユニコーンのCanvaが買収したという構図と、無料から始められるお手軽なデザインプラットフォームと、硬派な買い切りデスクトップアプリが、今後融合していくという将来かと思います。
また、ほんの10年で飛躍したCanvaのブランディング技術でAffinityのブランド展開が強化されることも予想されます。
Illustrator や Photoshop を要する Adobe社 に本格的な決戦を挑んでいくつもりかもしれませんね。
もちろんSerif社のCEOの発言にもある通り、近々ではサブスクリプション化はしないものと思われます。
「よくあるご質問」の中の「Canva との統合を構築する予定ですか?」では以下のように回答されています。
Canva との統合を構築する予定ですか?
はい、特に企業顧客のワークフローを考慮して、将来的には Affinity と Canva が統合される可能性があります。クリエイティブ チームとブランド管理チームには、アセット、画像、アイコン、ロゴ、およびその他の要素を作成および編集するためのプロフェッショナル ツールが必要です。Affinity アプリはそれに最適です。
これらのアセットを Canva にすばやく同期して、より広範な組織がドキュメント、プレゼンテーション、ホワイトボード、およびその他のビジュアル コミュニケーション資料内で簡単に使用できるようになれば、非常に意味のあることになります。
私たちが行う統合は、Canva の追加リソースを使用して行われ、Affinity アプリに必要な機能や改善の開発を継続することを妨げることはありません。
https://affinity.serif.com/ja-jp/press/newsroom/canva-statement/
この内容を読むに、「Affinity」と「Canva」はそれぞれ独立したアプリケーションとして存在させつつ、縦のつながりというか、データを連動したり、出力方法の選択肢として加わったりするイメージが湧きますね。
まとめ 今後の予想3点
- 「Affinity」シリーズがサブスクリプション化される心配は当面ない
- 「Affinity」シリーズのブランドが強化され、より多くのユーザーを獲得するよう展開されると予想
- 「Affinity」と「Canva」はそれぞれ独立しつつも、今後連動していく将来が予想される
Affinityシリーズのセール情報と現在の価格、購入方法については以下の記事にまとめています。
以上。この記事が少しでもお役に立てれば幸いです!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!