今回は、戸建てやマンションなどの購入にかかる費用は結局いくらかかるのか、目安となる金額や費用の内訳について紹介していきます。
住宅購入の総額
マンションにしろ戸建てにしろ、不動産サイトに表示されている 販売価格 が、住宅購入にかかる総額(頭金や住宅ローンの合計金額)ではありません。
結論から言えば、この 販売価格 + 250万円〜350万円 がひとつの目安となります。
以下に例を載せます。

例えばこの 販売価格3080万円 の戸建ての場合、
販売価格3080万円 + 諸費用・その他費用250万円〜350万円
= 総額は 3330万円〜3430万円
といったイメージです。

続いてこの 販売価格3180万円 のマンションの場合、
販売価格3180万円 + 諸費用・その他費用250万円〜350万円
= 3430万円〜3530万円
が総額、いわゆる 住宅ローンを組む金額 の目安となります。
販売価格の内訳は、マンションの場合そのままの意味(マンションの部屋の購入金額)になりますが、戸建ての場合は、主に 土地代 と 建物代 に分かれます。
そして、マンションにしろ戸建てにしろ絶対にかかってくるのが+αの費用である 諸費用・その他の費用 です。
- 土地代:戸建て購入時にかかってきます。この土地価格が総額に大きく影響を及ぼしています。
- 建物代:上物、なんて言い方もします。質によって価格の幅は広いですが、土地代に比べれば上と下でそこまでの開きはありません。
- 諸費用・その他の費用:マンションであれ戸建てであれ、ある程度一定の金額がかかってくるのが、この諸費用です。
購入前には、この諸費用のことなんて抜け落ちている方も多いかもしれませんが、バカにならない金額です。
土地代や建物代はわかるにしろ、気になるのはこの 諸費用・その他の費用 ですよね。
この諸費用について、少し掘り下げて解説します。
住宅購入にかかる「諸費用・その他の費用」の内訳
諸費用は、主に以下の内容で構成されています。
- 仲介・事務手数料
- 住宅ローン手数料・保証料
- 登記代・登記費用
上の一覧は必ずかかってくるであろう費用です。
- 火災・地震保険
- 引越し代
- 家具・家電・テレビアンテナ・カーテンなど
これらも諸費用に含みますが、人によって要不要がわかれる費用です。
必須かどうか | 諸費用の一般名 | 目安の金額 |
---|---|---|
必ずかかる | 仲介・事務手数料 | 100万円 |
必ずかかる | 住宅ローン手数料・保証料 | 80万円 |
必ずかかる | 登記代・登記費用 | 50万円 |
任意 | 火災・地震保険 | 20万円 |
任意 | 引越し代 | 15万円 |
任意 | 家具・家電・テレビアンテナ・カーテンなど | 35万円 |
費用と合わせた一覧にするとこんな感じです。
上の金額の合計は 300万円 となっていますが、当然 不動産の質 や 業者 によって価格が前後します。
物件の販売価格にこれらの費用も合わせて、あらかじめ予算設定をしておくことをお勧めします。
「諸費用・その他の費用」を抑えるために
そうは言っても 諸費用・その他の費用 なるべく抑えたいじゃないですか・・・。
そのために何点か注意というか、意識しておくと良いことを紹介します。
仲介手数料・事務手数料 をおさえたい
この諸費用の中でも一番高額な、仲介・事務手数料 を抑えるために、自社物件 を狙うのもありかと思います。
例えば、建売建設業者大手の飯田グループは自社で不動産を扱う店舗を持っています。
駅前にある不動産会社ではなく、自社の商品を持っている企業から紹介を受ければ、事務手数料を抑えられる可能性があります。
ちなみに、賃貸などでも同様です。
例えば、大東建託の店舗に行って、大東建託の賃貸を借りれば手数料を抑えられるなどです。
住宅ローン手数料・保証料 をおさえたい
現時点で、これに対して一番有効なのが、住宅ローンに ネットバンク を選択することです。
ネットバンクは、銀行や信用金庫よりも 事務手数料が安い or かからない 企業が多くあるからです。
火災・地震保険料 をおさえたい
これについても ネットの保険会社 をお勧めします。
理由は上に同じく 手数料が安いから ですね。
引越し代 をおさえたい
数社で見積もりを取って比較することをお勧めします。
これは主観ですが、大手企業の方が還元率(値引き交渉に応じる可能性)が高いと感じました。
大手以外の方が基本料金は安価な場合が多いですが、3〜4会社で見積もりを得る場合は大手も入れて値引き交渉してみるのも良いと思います。
家具・家電・テレビアンテナ・カーテンなどの費用 をおさえたい
家具や家電は引越し後に購入するのが良いと思います。
当然ですが、引越し代をなるべく安く抑えるためですね。
また、テレビアンテナは家電量販店でも対応してくれますが、くらしのマーケットなどの小規模な会社に依頼した方が、価格は低く抑えられると思います。
新築の場合、基本的に カーテンレールはついていません。
自分で好きなものをつけられるます。
なるべく費用を抑えるのであれば、建築会社・ハウスメーカーに依頼するのではなく、ニトリなどで自分で購入し自分で設置することも検討してみてください。
その他 購入後にかかるランニングコスト
住宅は、ローン返済以外にもランニングコストがかかってきます。
ここで言うランニングコストとは、電気代やガス代、水道代などのインフラ費用ではなく、固定資産税 や 共益管理費、修繕補修費 などのことです。
固定資産税
固定資産税は、不動産や車などといった金額の大きい所有物にかかる税金です。
固定資産税の支払いは、1年分をまとめてにするか、分割で支払うか選択することができます。
土地や建物の価値によって前後しますが、評価額に対して1.4%の税率がかかります。
評価額と購入金額(販売価格)はイコールではないのでややこしいですが、大体は評価額の方が低く見積もられます。
例えば、評価額が2000万円の不動産の場合、1年で 24万円 程度の負担額となります。
いくつか減税制度があるので、不動産の内容に合ったものを申請してください。
この記事で主に解説している 新築を住宅 についても減税措置があります。
> 国土交通省による減税措置
戸建て(2階建以下)の場合は3年間、マンションの場合は5年間、固定資産税が50%に減税されます。
上の2000万円の不動産であれば、3年間または5年間のあいだは、固定資産税が 12万円 になるということですね。
また、認定長期優良住宅 の場合は、戸建ては6年間、マンションは7年間の減税期間に延長されます。
共益管理費
マンションなどの共生住宅の場合は、共益費や管理費といった名目で、毎月費用が徴収されるケースが往々にしてあります。
この共益管理費は、共同で使用するエントランスやエレベーター、階段などの清掃・管理などに充てるという名目で徴収されています。
住宅ローンとは別に(まるでサブスクのように)毎月かかる費用となります。
金額はかなりまちまちで、5,000円〜20,000円ほどの開きがあります。
修繕補修費
外壁や基礎などの定期的なメンテナンス、または改修のためとして積立てられる費用です。
マンションでは管理費と一緒にまとめて徴収されることがほとんどです。
戸建ての場合は、持ち主自身が費用を積立ておく、といった努力が必要になります。
認定長期優良住宅の場合、この修繕補修費の資金計画が建築会社・ハウスメーカーから提案されます。
こういった長期のメンテナンス計画を組んでいる物件ということで、税制面での優遇を受けられる対象となっています。
まとめ
今回は、住宅購入の総予算がいくらかかるのか、特に一般人にとってはブラックボックス化している 諸費用・その他の費用 について焦点をあてて解説しました。
不動産サイトに掲載されている 販売価格 + 250万円〜350万円 が、住宅購入の総額のひとつの目安となります。
この 250万円〜350万円 ほどの諸費用の概算は以下の通り。
必須かどうか | 諸費用の一般名 | 目安の金額 |
---|---|---|
必ずかかる | 仲介・事務手数料 | 100万円 |
必ずかかる | 住宅ローン手数料・保証料 | 80万円 |
必ずかかる | 登記代・登記費用 | 50万円 |
任意 | 火災・地震保険 | 20万円 |
任意 | 引越し代 | 15万円 |
任意 | 家具・家電・テレビアンテナ・カーテンなど | 35万円 |
上の三つは必ずかかるであろう費用となり、目安の金額も業者間でも大きく変わらないのではないかと思います。
下の三つは任意とはなりますが、多くの人がかかるであろう予算です。
ただ、選ぶ商品や質によって価格が大きく前後するので、ご自身の中である程度の予算を組んでおくと破綻しないですむと思います。
また、これらの 費用をおさえるための注意点・意識しておくと良いこと についても紹介しました。
購入後にかかる費用として、固定資産税、共益管理費、修繕補修費 などがあることも記載しています。
これらの費用は 1〜3万円/月 はかかってくるため、住宅ローンの返済計画とともに、必要予算として確保しておくことをお勧めします。
以上。この記事が少しでもお役に立てれば幸いです!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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